解決事例/依頼者の声

Cases&Voice

海外在住者の代理人として、日本の遺産分割交渉を行ったケース

  • 海外に住む相続人の遺産分割協議のサポート

依頼者:アメリカ在住日本人(被相続人の子)

被相続人:日本在住日本人

1. 事案

米国在住の依頼者が、日本でお亡くなりになった被相続人の財産を相続することになりました。被相続人には米国在住の依頼者以外に複数名の相続人が日本におり、遺言は作成していませんでした。日本の相続人から、米国在住の依頼者に対し、遺産分割協議案が提示されていましたが、長らく米国に居住している相続人は、日本で暮らす被相続人の生活状況や資産状況をほとんど把握しておらず、提示された案を応諾してよいものかどうか判断に困り、当方事務所に相談されました。

2. 課題

本件は遺言がないケースであったため、相続人全員による遺産分割協議を行う必要がありました。しかし、米国在住の依頼者は、それまで日本の相続人とは面識がなく、コミュニケーションの方法について検討する必要がありました。

さらに、当方事務所がこの相続人からご相談を受けた時点で、すでに相続開始後から半年以上が経過しており、相続税の申告時期が迫っている状況にありました。

3. 当事務所の対応

まず、被相続人の相続財産について日本の相続人らに資料の開示を求め、過去数年分にわたる預金通帳や被相続人の医療費・介護費用に関する資料等を入手しました。それらをもとに、弁護士会照会等を利用してさらに調査をすすめ、相続財産の概要の把握につとめました。財産調査と並行して、税理士と密に情報の共有を行い相続税の申告準備を大急ぎで進めました。

また、相続財産の調査過程で、被相続人から日本の相続人に対する相当額の特別受益が確認できたため、これを遺産に加えて遺産分割を行う交渉を行いました。

遺産分割協議が成立した後、当方事務所は、相続人全員から承諾をいただき金融資産についての相続手続の事務を代理して行いました。

4. 成果

受任時には相続税の申告期限がすぐ先に迫っているというような状況でしたが、申告期限内に申告納税を済ませることができました。また、米国在住の依頼者は、遠く離れた日本の状況が分からず、面識のない相続人らとの協議に関して不安を感じておられましたが、客観的資料に基づき相続財産を正確に把握した上で、遺産分割協議に臨んでいただくことができました。

日本の相続人から開示された資料から特別受益の存在を確認し、交渉によりその持ち戻しにも成功することが出来たため、米国在住の依頼者は、当初提示されていた遺産分割協議案の取得額より数倍多くの財産を取得されました。

遺産分割協議が円満に成立した後、相続人全員の便宜を考慮し、当方事務所が金融資産についての相続手続の事務を一括して代理させていただきました。

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