解決事例/依頼者の声

Cases&Voice

音信不通となった親族の発見から関与したケース

  • 海外資産がある場合の相続手続サポート

依頼者:日本在住日本人(被相続人のきょうだい)

被相続人:アメリカ在住日本人

1. 事案

日本で暮らす依頼者らが米国で暮らす被相続人と数カ月間全く連絡がとれないことを心配し、被相続人の安否確認の方法について当方事務所にご相談にこられました。残念ながら、間もなくして、すでに被相続人はお亡くなりになっていたことが分かりました。

被相続人は米国に複数の財産を所有しており、自宅不動産等を信託財産として依頼者らに分配する内容の信託(トラスト)を設定していた一方、トラストに含まれない財産も存在していました。

2. 課題

当初のご相談の段階では、被相続人の安否確認をどのようにして行うかということが問題となりました。

また、米国の遺産税は高額な基礎控除(2023年現在、約14億円)の適用があるため、本件では遺産税の課税はありませんでしたが、本件の依頼者らは全員日本居住者であり、米国の財産も日本の相続税の課税対象となることから、日本の相続税の納税資金の調達のため、信託財産やその他の財産を速やかに換価し、日本に資金を移転する必要がありました。

3. 当事務所の対応

相談終了後、ただちに現地警察の行方不明者の届出等を行う窓口に直接電話をかけ、すぐに被相続人のご自宅を訪問し安否の確認をしてもらうよう働きかけを行いました。その結果、残念ながら被相続人がすでにお亡くなりになっていたことが確認されました。

次に、被相続人が生前に出入りをしていた老人施設から被相続人が遺言やトラストを作成していたことを聴き取り、それらの作成に携わった現地の弁護士に連絡をとりました。被相続人は、自身の親しい友人らをトラストの受託者に指定しており、その所在を調査し、就任の意向を確認する必要がありました。候補者とのやり取りには少し時間がかかりましたが、丁寧に事情を説明した結果、候補者は受託者となることを辞退され、現地の専門家に受託者となってもらうことができました。その後は、自宅不動産の売却など信託財産の換価や、トラスト以外の財産のプロベートの申立て等もスムーズに行われ、相続税の納税を円滑に行うことができました。

本件は、米国では遺産税等の税務の問題は特にありませんでしたが、日本では相続税や納税資金調達のために現地で不動産を売却したことに伴う譲渡所得税、通貨を米ドルから日本円に切り替えたことにより生じる差益についての所得税など、課税の問題がありました。そこで当方事務所が日本の税理士と米国の受託者との間に入り、必要な資料の調達や現地での換価に関する事実関係の聴き取り等を行いました。

4. 成果

当初は、被相続人の安否確認から始まった事案でしたが、当方事務所が関与をしたことで、間もなく現地の状況が確認できました。

また、トラストの受託者に専門家を就任させることができたため、財産の換価や日本への金銭の取り戻しが円滑に行え、依頼者らは負担なく相続税等の納税資金を調達することができました。

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