依頼者:日本在住の日本人(相続人)
被相続人:スペイン在住の日本人
1. 事案
スペイン居住の被相続人が日本に一時帰国中に急逝されたため、日本在住の相続人はスペインの遺産についてほとんど情報がなく、スペインに残された遺産や被相続人の事業について手付かずの状態となっていました。
2. 課題
弊事務所に相談に来られたのは、スペインの相続税の申告期限まであと数か月の時点であり、早急にスペインの専門家にコンタクトをとって申告期限の延長申請を行う必要がありました。
また、相続人は、スペインの遺産や被相続人の事業についてほとんど把握しておらず、遺産の全容を把握するための調査から行う必要がありました。
さらに、被相続人は里帰りのために日本に一時帰国していた間にコロナ禍となり、スペインに帰ることが出来なくなった間に急逝されました。小規模ではあるものの、被相続人はスペインにおいて事業を行っており、一時帰国中は従業員が事業を遂行していました。
しかし、日本在住の相続人がこの事業を承継することはなく、遺産の一部であった事業用財産の売却に伴い廃業することとなりました。廃業に伴い、従業員の解雇や退職金の支払いなど労務問題をどのように解決すすべきかも問題となりました。
スペインの遺産の主な割合を占めるのは現地の不動産であり、これを換価して日本・スペインの相続税の納税資金にあてる必要があるため、現地で不動産の売却を急ぐ必要がありました。
3. 当事務所の対応
弊事務所のネットワークを活用し、スペインの信頼できる法律事務所を依頼者にご紹介させていただきました。その後は、弊事務所と現地の弁護士との連携により、スペインの相続手続や税務申告を進めていきました。
また、被相続人は遺言を残していなかったため、相続証明書という書類を作成する必要がありましたので、弊事務所がEU相続規則に基づく相続証明書を作成しました。
さらに、スペインで税務申告をするために必要な納税番号の取得の申請も弊事務所で行いました。
4. 成果
スペインの適切な弁護士へのアクセスがすばやくできたことで、相続税の申告期限の延長申請が間にあい、余裕をもって遺産や被相続人の事業についての調査を行うことができました。
また、不動産の売却に関しても、現地の弁護士が推薦する仲介業者により良い条件の買手が見つかり、依頼者は相当額で不動産を売却することに成功しました。
さらに、被相続人の事業の廃業に向けてのオペレーションも円滑にすすみ、当初危惧された従業員の解雇の問題も円満に解決することができました。