国際相続コラム

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アメリカで遺言のコピーだけが見つかった場合、それは有効でしょうか

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遺言のコピーの効力は国によって異なります。本コラムでは、日本とアメリカの場合の効力と、遺言の探し方についても解説いたします。

1.遺言制度

遺言制度は世界中で見られる制度であり、私的自治・自己決定を権利主体の死後にまで拡張したものです(遺言の自由、Testamentary Freedom)。アメリカにも遺言制度はありますので、相続が発生した場合に、まず被相続人が遺言を残しているのか調べることが重要になります。

2.遺言のコピーだけが見つかった場合

日本の場合

日本では、コピーの遺言は「遺言の方式」に反するため、原則として効力を持ちません。

しかし、たとえば相続人の一人が破棄又は隠匿した自筆証書遺言については「遺言書作成の動機、経緯、方式及び完成した遺言書の同一性を確認できる証拠の存在」がある場合に、適式な遺言書と推認できるとした判決もあります。

アメリカの場合

アメリカでは、遺言者が保管していた遺言の原本が見つからない場合に、遺言者が物理的破棄によって遺言を撤回したと推定されます。しかしこの推定は反証可能であり、遺言者が撤回意思を持っていなかったと反証することができれば遺言の効力は認められます。

どのような場合にコピーの遺言の効力が認められるかは、各州法やプロベート裁判所の判断如何ですので、現地の弁護士への依頼は不可欠と言えるでしょう。

3.アメリカで遺言が有効とされた場合の日本における効力

被相続人がアメリカ居住であり、アメリカのプロベート裁判所で遺言の有効性が認められて遺言執行者が選任された場合、日本では外国非訟裁判の承認の問題となります。

この点、外国裁判所の家事事件についての判決などは、その性質に反しない限り、民事訴訟法118条の要件を充たせば承認されます。そこで、遺産管理に関する国際裁判管轄を有する国でなされた遺言の有効性に対する判断や、遺言の有効性を前提に選任された遺産管理人の権限は日本でも原則としてそのまま承認されることになります。

4.アメリカでの遺言書の探索

日本の自筆証書遺言と同様、アメリカでも遺言書の保管場所は決められておらず、書類置き場や机の引出し、貸金庫などを探索します。また、遺言の作成に関与した弁護士の探索のために、知り合いの弁護士に尋ねたり弁護士会の会報や新聞にお尋ねを載せたりすることも考えられます。このように、アメリカでも遺言書の探索は地道な作業となります。

なお、被相続人が、遺言書原本を裁判所に保管することを依頼できる州もあります。アメリカの多くの州では、遺族が貸金庫から遺言書を取り出すには銀行員の立会いが必要とされ、遺言書以外の取出しにはプロベート裁判所の許可が必要です(遺産の隠匿防止のためとされています)。さらにプロベート裁判所の許可がなければ、内容を確認するための貸金庫の解錠さえできないこともあります。

アメリカでの遺言に関しお困りごとがございましたら、現地専門家との強力なネットワークがある弊事務所へまずはお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらからどうぞ。

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