依頼者:スロバキア在住のスロバキア人(被相続人のパートナー、子)
被相続人:日本在住の日本人
ご相談内容
依頼者はスロバキア国籍の方で、日本人のパートナーとの間にお子様がおられました。お二人は海外で出会い、事実婚のパートナーとして協力しながら子育てをされていました。
しかし、被相続人は突然の病により亡くなられました。
依頼者は、日本の遺族年金を受給できる可能性がありましたが、
- 海外に住んでいるため日本の手続が分からない
- 日本語での対応が難しい
- 必要書類や申請方法が複雑である
といった事情から、手続きをスムーズに進められず、スロバキアの法律事務所を介して当事務所にご相談されました。
また、お子様は海外で出生しており、現地法に基づく認知はされていたものの、日本への出生届が提出されていなかったため、日本国籍を取得していない状態でした。
依頼者は、お子様の将来の選択肢を広げるため、成人前に日本国籍を取得させたいと希望されていました。
問題点
1.事実婚であったため、遺族年金の受給資格を証明する必要があったこと
本件では事実婚のパートナーであったため、遺族年金の申請にあたり、単に婚姻の事実を示す戸籍を提出するだけでは足りませんでした。依頼者と被相続人が夫婦同様の共同生活を送り、生計を共にしていたことを示すため、スロバキアの公的証明書を含め多数の資料を準備する必要がありました。
2.日本国籍取得のために特別な資料が必要だったこと
お子様は海外で出生し、日本への出生届が未了でした。さらに、両親が事実婚関係であったため、国籍取得届の提出にあたっては、懐胎時の両親の居住地や生活状況を立証する必要があり、通常とは異なる資料や説明が求められる状況でした。
3.国籍取得の期限が迫っていたこと
国籍法3条による国籍取得届は18歳未満に限られています。
本件ではお子様が18歳に達する時期が数か月と迫っており、限られた期間内で資料収集から申請まで完了させる必要がありました。
当事務所の対応
当事務所では、遺族年金の受給手続と日本国籍取得手続を並行して進めました。
まず、遺族年金の受給資格や親子関係を証明するため、日本国内及び海外の関係資料を収集し、外国語文書については翻訳を行うなど、申請に必要な書類を整備しました。
また、国籍取得届の提出に際しては、代理人として法務局に同行し、依頼者に代わって資料の説明やこれまでの経緯について説明を行いました。
さらに、日本国籍取得後には市役所にも同行し、新たな戸籍作成手続についてもサポートしました。
解決結果
必要資料を適切に準備し申請を行った結果、依頼者はスロバキアに居住しながら日本の遺族年金を受給できるようになりました。
また、国籍法上の期限が迫るなかでも、お子様の日本国籍取得を実現することができました。
依頼者は、日本で一人暮らしをしている被相続人のご両親の将来についても心配しておられました。お子様が日本国籍を取得したことで、将来的に日本で自由に生活する選択肢を持つことができるようになり、また、依頼者自身も日本人親族との関係を基礎として日本での在留資格取得の可能性が広がりました。その結果、ご家族として日本にいる親族を支えやすい環境を整えることができ、大変安心していただくことができました。
本件のポイント
海外在住でも日本の遺族年金を受給できる場合があります
日本国外に住んでいる場合でも、要件を満たせば日本の遺族年金を受給できることがあります。
もっとも、海外在住者の場合は、海外発行書類の取得や翻訳、日本国内とのやり取りなどが必要となり、手続が複雑になることも少なくありません。
事実婚の場合は関係性を資料で証明する必要があります
法律婚ではない場合、遺族年金や国籍手続において、夫婦同様の関係であったことや親子関係を資料によって証明しなければならないケースがあります。
海外で生活していたご家族の場合は、現地の制度や書類も関係するため、より慎重な対応が必要になります。
海外出生のお子様の日本国籍取得には期限がある場合があります
国籍法上の届出には年齢制限が設けられています。
海外で出生したお子様の日本国籍取得を検討されている場合は、必要書類の収集や翻訳に時間を要することも多いため、早めに準備を進めることが重要です。
当事務所では、海外在住者の年金手続、日本国籍取得手続、国際家族案件に関するご相談を承っております。海外在住のご家族に関する日本の年金・国籍・相続問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
5.依頼者の声
I would like to take this opportunity to express my sincere gratitude for our collaboration.
It has been professional and held to the highest standard. I truly appreciate your kindness and your friendly, “can-do” attitude—you were always ready to help with anything at any time.
Because of this excellent experience, I will certainly be highly recommending your company to others.
On a personal note, I wish you all the very best, both professionally and personally.
I truly hope our paths will cross again in the future; it would be a pleasure to see you again.
(当事務所による日本語訳)
この場をお借りして、今回のご協力に対し心より感謝申し上げます。
プロフェッショナルな対応と、最高水準のサービスに感銘を受けました。皆様の親切な心遣いと、親しみやすく前向きな姿勢に深く感謝しております。いつでもどんなことでも喜んでお手伝いしてくださる姿勢には、本当に感銘を受けました。
このような素晴らしい経験ができたため、私は間違いなく貴所を周囲の方々に強く推薦させていただきます。
個人的な話になりますが、仕事面でも私生活でも、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
将来またお会いできることを心から願っております。再会できるのを楽しみにしております。